コロナウイルス疾患への対応-WHOガイダンス

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コロナウイルス疾患への対応-WHOガイダンス

「コロナウイルス疾患への対応ガイダンスーWHOガイダンス」の和訳版を公開

【リスクコミュニケーション及び地域社会の積極的関与の準備とコロナウイルス(COVID-19)疾患への対応 暫定ガイダンス】は、2020 年3 月19 日にWHO から公表されました。日本リスク学会は、この内容が今後、地方行政の感染症対策担当者が住民とのリスクコミュニケーションを企画、実践、振り返り、フィードバックする際に重要な観点が多数含まれていると判断し、WHO の許可を得て、日本リスク学会リスクコミュニケーションタスクグループが日本語訳したものです。

 

※資料の改訂内容にについては、本文最下段の「■改訂ポイント」をご参照ください。

2020年06月01日  初版
2020年06月22日 第2版

 

 

 ガイダンスは、COVID-19 の発生に備える重要な対応である「RCCE : Risk Communication and Community Engagement(リスクコミュニケーションと地域社会の積極的な関与)」(※積極的関与とはエンゲージメントの翻訳であり、深い関わり合いや積極的な行動を引き出すことを含意する。)に関する基本的な考え方と、準備から初期対応に関するチェックリストから成り立っています。

 

 本文中の最初に、以下のように、公衆衛生に関する緊急時対応における、リスクコミュニケーション実施と、地域社会が積極的に関与することの重要性が述べられており、感染症対策だけではなく、様々なリスクコミュニケーションの基本となるものと思います。市民と直接向き合う地方自治体の関係者の皆様のご参考になれば幸いです。

 

  • 公衆衛生上の対応において最も重要かつ効果的な介入の1 つは、予見的かつ積極的に情報を伝達することである。
  • RCCE は、「インフォデミック」を防ぐことに役立ち、適切な行動への信頼を構築し、健康に関する助言に従う割合を高める。
  • 公衆およびリスクのある集団との、定期的かつ予見的なコミュニケーションおよび積極的関与は、混乱を緩和し、誤解を避けるのに役立つ。
  • 人々には知る権利がある。
  • 影響を受ける集団のリスクの認識は、しばしば専門家や当局のそれとは違う。
  • 効果的なリスクコミュニケーションは、地域社会を対応に巻き込み、連携する戦略を立てる。

 

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■改訂ポイント

●第2版

 先に公開いたしました本ガイダンスですが、読者から建設的なご意見を戴き、以下の修正方針にて表現を統一いたしましたので、第2版として公開いたします。

  • タイトルが、「リスクコミ~コロナウイルス(COVID-19)疾患への~」でしたが、COVID-19は疾患名であり、ウイルス名ではないので、コロナウイルス疾患(COVID-19)と修正しました。
  • involvement を「積極的な働きかけ」と訳しました。
  • インフルエンサーやオーディエンス等の英語のカタカナ表示は、文中はカタカナで統一し、初出時に(※)で日本語の解説を付けました。
  • 日本語において、風評と噂の意味は異なるため、Rumorは、「噂」(漢字)で統一しました。

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