企画セッション「今なら温泉で泳げます♨ 温泉がリスクと向き合うとき」
企画責任者:竹田宜人(横浜国立大学大学院環境情報学府)

我が国の観光地と温泉は切っても切れない縁がある。また、温泉の成り立ちには火山や地震活動が深くかかわっている。さらに、それらの活動で生み出される風 光明媚な地形は観光地をより魅力的にしている。しかし、平成27年5月からの箱根山の噴火活動や平成28年4月の熊本地震のように、ベネフィットよりリス クの方が大きくなることもある。リスクと共存しベネフィットを如何に生かしていくか、これは我が国の観光地にとって重要な課題である。本セッションでは、 開催地「おんせん県」にふさわしく、温泉をリスクの観点から考える。


1 日時 平成28年11月27日(日)10:30〜12:00

2 講演者
(1)本セッションの趣旨(横浜国立大学客員准教授 竹田 宜人:司会)
情報伝達の観点から温泉にまつわるリスクとベネフィットを考えることを趣旨とし、視点として箱根山の火山活動による「風評被害」の解釈と市民への情報提供の課題、箱根山とジオサイトなどを紹介する。

(2)別府温泉の地学的成因と防災(京都大学名誉教授 由佐 悠紀)
温泉にまつわるリスクを理解するために、別府温泉の成因を地学的に解説する。

(3)なぜ、温泉で泳げるのか(熊本地震と対策)(別府温泉別府の宿白菊 代表取締役社長 西田 陽一)
新聞広告大賞を受賞した一連の新聞広告。思わずクスッとしてしまうコピーはどこから生まれたのか、その効果は?正直に話すことがリスクコミュニケーションの基本であり、その好例となった対策についてお話しいただく。

(4)温泉と放射線(放射線医学総合研究所・放射線防護情報統合センター長 神田 玲子)
放射線には潜在的な恐怖感がある。でもラドン温泉となると、体に良いものと考える人が多い。なぜ、同じものであっても、人は違うものとして認知するのだろうか? 温泉の魅力を放射線のリスクとベネフィットから考える。

3 追加企画 詳しいことはこちら
11月28日(月)10時ころ〜15時ころ 別府温泉を科学する(地獄〜地獄蒸し〜足湯)
由佐先生に解説を戴く。亀の井バスを利用する方向で検討(別府駅〜別府市内~大分空港)