国際学会における「リスク学事典」の広報活動に関する報告

日本リスク研究学会
広報委員会 小野恭子

2019年5月6-8日に南アフリカ共和国ケープタウン市にて開催された,Fifth World Congress on Riskにて,日本リスク研究学会が編集したリスク学事典について紹介してきました.学会から,渡航費用の一部をご支援いただいたことに感謝申しあげます.

発表したセッションは「Advancing Risk and Resilience Practice Through Risk Analysis Education and Certification」と題した,リスク評価者認定制度と教育プログラムに関するもので,発表者はProf. Wu(前SRA-Taiwan会長)とProf. Yu(現SRA-Taiwan会長)+小野というセッションでした.

SRA-Taiwanより,台湾での創設を計画しているRisk Assessor Certification(リスク評価者認定制度)について,認定制度と教育プログラムに関する発表があり,Prof. Wuの主張「リスクアセスメントの計算自体はシンプルであるが,正しく理解するにはリスクとリスクアセスメントの適切な知識が必要である.そのため認証制度を設けてはどうか」が述べられました.続いて小野が,日本のリスク学事典の編集のねらいと内容を説明しました.フロアからのコメント・質問として以下がありました.
・多様な「リスク」の分野をこの1冊で網羅しているのは,利便性が高い.
・(台湾のリスク評価者養成の)教育マテリアルの一つの雛形として日本のリスク学事典から学べるものは大きい.
・教育目的のみならず様々な読者が想定されるであろう.
・翻訳の予定はないのか?
フロアから前向きな意見をいただき,発表者としてもありがたく感じるとともに,同様の出版物は世界的にも例がなく(分野別の教科書はあるものの,分野横断型のものがない),英語版のニーズは思った以上にあることに,手ごたえを感じました.当学会の国際的なプレゼンスを高めるためにも,翻訳版について今後検討すべきと感じました.

最後になりましたが「リスク学事典」執筆者の皆様,ご関係の皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます.Amazonのウェブサイトでは6月26日発売予定となっております.

2019年度定期総会のお知らせ

ご案内の「第32回シンポジウム」開催日において、下記の通り、2019年度定期総会を開催いたします。

●日時:2019年6月24日(水) 13:00-14:00
●場所:東京大学本郷キャンパス山上会館

本総会の詳細(参加確認を含む)につきましては、別途郵送にてご案内いたします。

※総会後、引き続き同会場にて「第32回シンポジウム」を開催いたします。

「第32回シンポジウム」開催のお知らせ(参加申し込み開始!)

一般社団法人 日本リスク研究学会 第32回シンポジウム
『日本社会におけるリスク学の発展と定着に向けて~リスク学事典発刊を記念して』
チラシはこちら

●趣旨
 東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を経験した日本社会では、再び「リスク」という言葉が頻繁に使われるようになりました。もちろん、地震・津波リスクと原子力発電所事故のリスク、そして放射線への被ばくによるリスクが最も注目を集めましたが、それらの評価や管理、そしてコミュニケーションを考えるうえで、他のリスクと比較したり、他のリスクでの経験を参照したり、という具合に、リスクという考え方そのものにも関心が広がったのではないかと思います。リスク概念の持つ、分野に限定されない横断的な性格や、安全と危険という単純な二分法ではうまく汲み取れないグレーな部分を取り扱える便利さ、そして、発生可能性と発生した場合の被害の大きさという二軸に分けて頭の整理ができるといったメリットも感じられる場面も多かったのではないでしょうか。ところが、リスク概念を分野横断的に広く学べる書籍が見当たらないという課題がありました。日本リスク研究学会では20年近く前に同じタイトルの「リスク学事典」を刊行(その後、増補版も刊行)したのですが、出版社がなくなってしまったこともあり、絶版になりました。そこで、この本とは全く別にこのたび丸善出版から「リスク学事典」を刊行する運びとなりました。
 本シンポジウムでは前半で、編集委員会メンバーから事典の紹介を行ったのちに、後半では、多様なリスクを横断的に扱っている、研究者、ジャーナリスト、民間企業、行政といった異なる立場の有識者から、リスクの考え方が十分に浸透していないと感じる局面、リスク学が問題解決のためのツールや方法論を十分に用意できていないケース、行政の意思決定にもっとリスク学が貢献できるには、企業活動にリスク学がもっと貢献できるには、リスク学にはいつからどんな教育が必要か、どうしたらリスク学を、日本社会の知的インフラとして広めることができるかなどと言った観点から自由に論じてもらう予定です。

●日時  2019年6月26日(水)14:00~
●会場  東京大学本郷キャンパス山上会館
●主催  一般社団法人 日本リスク研究学会

●プログラム(参加費)
 14:00~17:00 第1部 シンポジウム(無料)
 17:30~19:30 第2部 意見交換会(有料、立食代)

チラシはこちら

●プログラム詳細
第1部 シンポジウム
14:00~15:05 「リスク学事典」の紹介
 久保 英也 (立教大学、日本リスク研究学会会長)
 米田 稔(京都大学、日本リスク研究学会理事)
 小野 恭子(産業技術総合研究所、日本リスク研究学会理事)
 岸本 充生(大阪大学、日本リスク研究学会理事)
 竹田 宜人(製品評価技術基盤機構、日本リスク研究学会理事)
 他

15:15~17:00 有識者を招いてのディスカッション
 奈良 由美子(放送大学)
 滝 順一(日本経済新聞)
 高橋 幸嗣(SOMPOホールディングス)
 他

第2部 意見交換会
17:30~19:30(予定)
 ・弥生キャンパス「アブルボア」(地図)にて行います。
 ・会員(※協賛学会等)4,000 円、一般5,000 円、学生3,000円)
※協賛学会等(申請中):一般社団法人環境情報科学センター、一般社団法人日本人間工学会、一般社団法人廃棄物資源循環学会、エコケミストリ-研究会、科学技術社会論学会、公益社団法人環境科学会、公益社団法人土木学会、公益社団法人日本都市計画学会、公益社団法人日本水環境学会、社団法人大気環境学会、日本計画行政学会、日本社会心理学会、日本保険学会(0516更新)

 本シンポジウムに関する最新の情報は、学会HPに掲載いたします。お近くの関係者にもお声をおかけ下さい。皆様のご参加をお待ちしております。

【お申し込み・お問い合わせ先】

参加申込書フォームより申し込みください。(※Google formが開きます)
 ※会員区分・参加区分(第1部・第2部)をご連絡ください。

②円滑な受付のため、参加費の事前振り込み(6/24〆)にご協力をお願いします。
 【お振込先】郵便振替口座:00120-0-330322
 (加入者名:一般社団法人日本リスク研究学会)

③同会場にて、2019年度定期総会を開催します。(0523追記)
 日時:2019年6月24日(水) 13:00-14:00
 場所:東京大学本郷キャンパス山上会館

④お問い合わせ先
 〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター
 日本リスク研究学会事務局 担当:木崎
 E-mail: sra-japan@bunken.co.jp
 Tel. 03-6824-9370 Fax. 03-5227-8631

学会名の変更についてのご意見の募集

(2019.3.8)

学会名の変更についてのご意見の募集

一般社団法人日本リスク研究学会
会長 久保 英也

 日本リスク研究学会が誕生して30年が経過し、諸先輩方がゼロから作り上げてきたリスク学も黎明期を過ぎ、研究領域の急激な広がりと共に理論の社会実装にまで活動範囲が急速に拡がっています。一方で、リスクを取り巻く環境の変化(例えば、リスクの複合化、国際化、市民化など)の波に学会として十分に対応できたとは言えず、残念ながらここ10年で会員数は約100名減少しています。

改めて、リスク分野の重要性と当学会の役割を世に問うため、リスク学をリスクの取扱いを巡る、個人的及び社会的な意思決定に関わる多様な学問の集合体として体系化した「リスク学事典」をこの度発刊する運びと致しました。

同時に、30年を機に学会全体のインフラも見直し、本質である学際性を際立たせるため、
①学会誌の電子化による国際データベース(Scopus, Web of Science)への接続と査読審査時間の大幅な短縮や論文アクセス性の飛躍的な改善、
②学会レガシーであるリスクマネージャー資格制度の全面見直し、にも踏み出しました。

この動きを会員全員で共有し、会員全員で新たな一歩を踏み出せるように、学会名も一新したいと考えています。すなわち、学会名にある「研究」は引き続き学会活動の核であることに変わりはありませんが、その研究を社会実装まで幅広く展開する、まさにリスク学の推進母体であることを明確に対外的にも伝えられるように、「日本リスク研究学会」を「日本リスク学会」に改称することを検討しております。

既に会員の多くが当学会の呼称を日本リスク学会もしくはリスク学会として通常使用しており、その移行はあまり無理がないものと考えておりますが、現理事会では気づいていない学会創設期の学会名に込めた深い思いなどにも丁寧に目配せしなければならないと考えております。さらに、現名称を使用することの長短などについても、会員の皆様からご意見をお聞かせいただきたいと考えています。

また、皆様から直接ご意見をいただく場として、東西で6月発刊予定のリスク学事典紹介を兼ねた趣旨説明会を開くことなども予定しております。学会名の変更に関しまして、理事会が見落としている点など忌憚のないご意見やご質問を4月13日(日)までにお寄せいただきましたら幸いです。

宛先は、学会事務局事務局 木崎様 sra-japan@bunken.co.jpとなります。

ご多忙とは存じますが、何卒、よろしくお願いいたします。

以上

「日本リスク研究学会誌の電子ジャーナル化への移行と紙媒体(冊子体)によるご提供の中止」についてのご意見の募集

2019.3.13

「日本リスク研究学会誌の電子ジャーナル化への移行と紙媒体(冊子体)によるご提供の中止」についてのご意見の募集

一般社団法人日本リスク研究学会
理事会

 1988年に創刊された「日本リスク研究学会誌」は、今日まで紙媒体で提供して参りました。一般的に学会誌の公表形態が電子ジャーナル化(以下「電子化」)に傾く中で、本学会も2010年11月に総合電子ジャーナルプラットフォーム(J-STAGE)に、発行から1年を経過した既発号から順次、オンライン公開して参りました。しかしながら、研究の国際化が加速する中で、①学会誌が、国際データベースに接続されていること、②迅速な掲載と全号の即時講読が可能であること、という2つの条件が既に、国際標準となっています。また当学会は、アジア圏においてリスク学を牽引し、国際ネットワークのハブとなる活動を開始しており、よりスムーズな活動を可能とするインフラ整備を進める必要もあります。
そこで、会員の利便性の一段の向上と国際化に耐えうる学会誌とするため、紙媒体の「日本リスク研究学会誌」を2020年度発刊分から、電子化することを,理事会において検討しています。

そのメリットやデメリットは以下の参考の通り、想定してはおりますが、未だ見過ごし、判断材料から漏れている事項もあるかもしれないと考えています。そこで、全会員の方々から、ご意見を拝聴し、それらを踏まえた上で、あるべき電子化の形を丁寧に構築していたいと考えております。なお、ご意見は4月末までにメールで賜りたく、学会事務局宛てにお送りください。

学会事務局メールアドレス:sra-japan@bunken.co.jp(担当:木崎様)

皆様からの忌憚のないご意見をお待ち申し上げております。
【ご参考】
(1)電子化のメリット
①全世界の研究者が国際データベース(Scopus, Web of Scienceなど)に接続し、国際的なアクセスを可能とする
②「フリージャーナル」として,非会員も含めて学会誌掲載論文には期間の制約なく即時アクセスが可能
③電子化により、査読完了時から掲載までの時間短縮ができ、迅速な可能(掲載が決定したものから順に逐次柔軟に公開)
④誌面の充実と柔軟性の確保。学会誌の完全電子化により、論文のカラー化と現在の投稿ページ数基準の柔軟化が可能
⑤学会運営のコスト圧縮。電子化による印刷費、配送費の削減(年間約50万円)から、購読会員や実費で冊子体を希望される会員向けにオンデマンド印刷を行うための基本的なコスト(同約15万円)を差し引いても年間約35万円の収支改善効果

(2)デメリット
①図書館や研究所などで冊子体での提供が組織として不可欠な会員の不便(購読会員などが考えられるが、オンデマンド印刷では対応)
②新規論文がすぐの会員外でも読めることになるので、会員になるメリットが減少など

以上

2019年度「シンポジウム」及び「年次大会」の開催予定

(2019年度)「日本リスク研究学会第32回シンポジウム」及び「第32回日本リスク研究学会年次大会」の開催予定についてお知らせいたします。

<日本リスク研究学会第32回シンポジウム>
・日程:2019年6月26日(水)
・会場:東京大学山上会館
・詳細:こちらをご覧ください。(20190514更新)

<第32回日本リスク研究学会年次大会>
・日程:2019年11月22日(金)~11月24日(日)
・会場:東京工業大学大岡山キャンパス
・詳細:準備中

詳細については、改めてお知らせいたします。

「Society for Risk Analysis (SRA) Presidential Merit Award」を受賞

日本リスク研究学会の会員である土田昭司氏(関西大学)、前田恭伸氏(静岡大学)が、2018年12月4日付けでSociety for Risk Analysis (SRA) Presidential Merit Awardを受賞されました。

(左から土田氏、Aven氏、前田氏)

 本学会がSRA Internationalと共同で大阪において開催しました国際学会(東アジアリスク会議2018)では土田氏が実行委員長として、前田氏が日本リスク研究学会会長として大きく寄与しました。このようにSRAの活動を世界的に普及する活動に対する貢献が認められ、当学会を代表しての受賞となりました。

 米国ニューオーリンズで開催されたリスク解析学会2018年会(SRA Annual Meeting 2018)の表彰式において、2018年SRA PresidentのTerje Aven博士(Stavanger大学)より両氏に記念の楯が授与されました。

報告者:国際委員会

福島大会特集号原稿募集!

福島での第31回日本リスク研究学会年次大会に参加くださり、活発に研究発表・討論をしてくださり、どうもありがとうございました。

おかげさまで、盛況のうちに大会を閉じられましたことに御礼申し上げます。

 

さて、研究は大会で発表したら終わりではありません。

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第31回日本リスク研究学会年次大会の大会優秀賞及び2018年度学会賞・奨励賞の表彰

2018年11月16日

第31回日本リスク研究学会年次大会の大会優秀賞及び2018年度学会賞・奨励賞の表彰

会長 久保英也

 

2018年11月9日~11日、福島(コラッセふくしま)にて開催した「第31回日本リスク研究学会年次大会」では、当会の表彰委員会より選考・承認された「日本リスク研究学会 2018年度学会賞・奨励賞」に加え、本大会の口頭発表とポスター発表の中(40歳未満が対象)から、表彰委員会及び評価委員(表彰委員長の指名)の厳選な審査を踏まえ、「第31回日本リスク研究学会年次大会優秀発表賞」の授賞式を行いました。

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