企画セッション
企画セッション詳細
企画セッションの詳細は全体セッション、企画セッションをご覧ください。
企画セッション時間帯
"大会の花"企画セッションは下記のとおり行われます。
企画セッション1:11/10 9:00-10:40「行政の施策とリスク学の接点」
オーガナイザー:名取雄太(東京都環境局)、鈴木聡(福島県環境創造センター)
企画セッション2: 11/10 10:50-12:30「『社会的影響の大きな企業人の仕事』と『リスク学』の接点を探る」
オーガナイザー:鈴木寿一(キヤノン株式会社)、井上知也(みずほ情報総研株式会社)
企画セッション3:11/10 10:50-12:30「水素エネルギーキャリアのリスク評価の最前線」
オーガナイザー:恒見清孝(産業技術総合研究所)
企画セッション4:11/11 9:00-10:40「科学とリスク2つのコミュニケーションのはざまに〜リスコミ教育を通じて〜」
オーガナイザー:竹田宜人(日本リスク研究学会 リスクコミュニケーションTG/横浜国立大学大学院/製品評価技術基盤機構)
企画セッション5:11/11 9:00-10:40「変わる災害広報〜防災行政無線の次に来るものは〜」
オーガナイザー:増田和順(国立研究開発法人防災科学技術研究所)
企画セッション6:11/11 10:50-12:30「水環境学会・保険学会・災害情報学会・安全工学会後援合同:
災害リスク、非定常リスクへの対応〜分野を超えた共通知を探る〜」
オーガナイザー:小野恭子(産業技術総合研究所)
企画セッション7:11/11 10:50-12:30「予測が作る社会」
オーガナイザー:山口富子(国際基督教大学)
企画セッション8:11/11 13:30-15:10「水環境学会・保険学会・災害情報学会・安全工学会後援合同:
エマージングリスク(新興・急増リスク)への対応〜分野を超えた共通知を探る〜」
オーガナイザー:上野雄史(静岡県立大学)
企画セッション9:11/11 13:30-15:10「科学哲学の遠征―リスク研究の目的と方法を探る」
オーガナイザー:清水右郷(国立循環器病研究センター)
企画セッション概要
企画セッション1:11/10 9:00-10:40「行政の施策とリスク学の接点」
オーガナイザー:名取雄太(東京都環境局)、鈴木聡(福島県環境創造センター)
リスク研究の成果が社会課題の解決のために有効活用されるためには、組織、分野を超えた連携が必要不可欠であり、
とりわけ、自然や人為的なリスクへの課題に日々直面している行政との連携は極めて重要である。
これまで、日本リスク研究学会年次大会への参加は研究者が大半を占めており、行政官の参加者は限定的であった。
しかし今後は、本学会の議論を盛り上げ、広げていくためにも、行政を巻き込んだ積極的で幅広い議論が必要である。
そこで、今回は、行政官から、国や各自治体で行っているリスクに関わる施策や取組を紹介していただき、
そこからまずは行政の施策とリスク研究との接点がどこにあるのか探る。
そのうえで、@リスク研究の発展のためにリスク学会が行政と協力できる/すべきこと、
Aリスク研究の成果を行政の施策に実装していくために必要なこと、
などについて関係者で意見交換を行いたい。
これらをきっかけに、行政官の学会への参加を促進する糸口を見つけ、
今後、リスク研究を施策に生かす取組や保有情報をリスク研究に用いる、など
相乗効果が得られる関係性を模索していく。
企画セッション2:11/10 10:50-12:30「『社会的影響の大きな企業人の仕事』と『リスク学』の接点を探る」
オーガナイザー:鈴木寿一(キヤノン株式会社)、井上知也(みずほ情報総研株式会社)
2018年の日本リスク研究学会年次大会は、日本リスク研究学会が設立されてから30周年の大会になります。
節目の大会において、本学会及びリスク学のあり方に関連した議論ができないと考えました。
本企画セッションでは企業人の講演者に、
学術界に知られざる「社会的影響が大きくリスク学的にも興味深い」と考えられる実務の事例をご紹介いただき、
更にアカデミアへの期待も大いに語っていただいて、
フロアの皆様とのディスカッションを通じて企業人の実務とリスク学研究との接点を探ってみたいと思います。
リスク学研究において研究テーマの探索先あるいは成果の社会実装を考える際に、
行政や企業のニーズを把握したいと思われる事は多いのではないでしょうか。
一方、学術年会参加者を見た場合、学会員の割合から考えるよりも行政人・企業人の存在は薄く感じられます。
社会的課題の解決に直接取り組む行政人はもとより、
企業人も実務として社会的課題の解決に直接あるいは間接的に関わっています。
そうした事例にはリスク学研究のテーマ探索や社会実装のニーズ探索に
大きな示唆をもたらすものもあると思われますが、
一般的にそれらが社会的に知られる機会は多くは無く、
また、本学会の年次大会を通じての情報共有も薄いと考えられます。
そこで、このような企業人による「社会的に知られる機会は限られているが、
リスク学的に興味深い社会的影響の大きな実務の事例」をご紹介いただき、
a) リスク学研究とどのような接点を持つ/持つ可能性があるのか
b) リスク学研究との間にどのようなギャップがあるのか
c) ギャップは何に起因し、どうすれば埋まる可能性があるのか
について、年次大会においてディスカッションします。
企画セッション3:11/10 10:50-12:30「水素エネルギーキャリアのリスク評価の最前線」
オーガナイザー:恒見清孝(産業技術総合研究所)
従来のガソリンや灯油などの自動車用燃料が、
二酸化炭素や大気汚染物質の排出によって環境に悪影響を与えているのに対して、
水素は二酸化炭素を排出せず、毒性もないので、クリーンなエネルギーと考えられている。
しかし、水素を非常に高圧で輸送や貯蔵するため、水素漏洩などの事故の際の被害が大きい懸念がある。
このような新規技術の開発・利用に伴う安全問題を、
「どれだけ安全なら十分に安全か?(How safe is safe enough?)」のリスク論でとらえて、
社会への影響を予測し、被害の拡大防止や復旧対策を図り、社会に対する信頼性を確保することが重要である。
国内では、水素エネルギーキャリアのリスク評価にもとづく議論がほとんどないことから、
本セッションで意思決定に資する新規技術のリスク評価手法について議論する。
企画セッション4:11/11 9:00-10:40「科学とリスク2つのコミュニケーションのはざまに〜リスコミ教育を通じて〜」
オーガナイザー:竹田宜人(日本リスク研究学会 リスクコミュニケーションTG/横浜国立大学大学院/製品評価技術基盤機構)
リスクコミュニケーションの社会実装のためには、
その考え方や必要性を社会に周知し、その理解を得ることが重要である。
その方法の一つに学校教育があげられる。
本学(横浜国立大学)は、文部科学省リスクコミュニケーションモデル形成事業に参加し、
大学院におけるリスクコミュニケーションカリキュラムを作成している。
また、北海道大学高等教育推進機構科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)は、
教育の一環として科学コミュニケーションを母体にしたリスクコミュニケーションに取り組んでいる。
本セッションでは、リスクマネジメントに基づく横浜国立大学のカリキュラムとCoSTEPの取り組みの比較を通して、
科学コミュニケーションとリスクコミュニケーションの協働を考える。
企画セッション5:11/11 9:00-10:40「変わる災害広報〜防災行政無線の次に来るものは〜」
オーガナイザー:増田和順(国立研究開発法人防災科学技術研究所)
たとえば台風に備えて雨戸を締め切っていた日、
たとえばマンションの部屋でエアコンを効かせ大音響で映画を楽しんでいた夜。
もし、緊急に避難すべき事態が発生していたとしたら―。
過去の水害でも、暴風雨の音にかき消されて、せっかくの防災無線が聞こえなかった事例がありました。
県外の勤務先にいて、自宅の被災をすぐに知ることができなかった人がいました。
こうした反省から出発し、「人々の手元に確実に届く災害情報」を実現するために、
茨城県境町にご協力いただき、立教大学と防災科研が共同で、
インターネットを活用した新しい災害広報システム(通称:クレバーメディア)を開発しています。
災害広報システムに求められる条件と機能、そして今後の展望について議論します。
企画セッション6:11/11 10:50-12:30「水環境学会・保険学会・災害情報学会・安全工学会後援合同:
災害リスク、非定常リスクへの対応〜分野を超えた共通知を探る〜」
オーガナイザー:小野恭子(産業技術総合研究所)
東日本大震災以降、災害のような突発的、事故的な事象(非定常事象)に関するリスクに関心が集まるようになった。
日本では、これらをリスクとして分析することについては歴史が浅いものの、
評価方法や対策手法は様々な学術分野で蓄積がある。
ここでは4つの学会から、それぞれの問題意識とアプローチ方法を紹介してもらう。
水環境、保険、災害情報、安全工学が一つのセッションで発表するのは初めての試みではないだろうか。
これらの分野のアプローチの違いを共有するとともに、非定常リスクへの対応の共通点についても議論を行う。
企画セッション7:11/11 10:50-12:30「予測が作る社会」
オーガナイザー:山口富子(国際基督教大学)
昔から人々は何らかの形で未来を知り、将来を予測することで自らの行動を律してきた。
しかし、時が変わりその手段も変化する。
現代社会では、気候・災害予測、市場予測、技術アセスメント、リスク評価、犯罪予測等、
未来を知る手がかりが科学的手法に占有され、知らず知らずのうちにわれわれの社会をつくる。
そうした問題意識を背景に本セッションでは「予測」がどのようにしてわれわれの社会をつくり上げるのか、
その見えざる過程について事例を通して明らかにすることをその目的とする。
リスク学の原点である「生きたい世界を模索」するためには、予測科学に対する盲信と不信の両極端を排除し、
将来予測を正しく社会の中で位置づけることが重要であるというスタンスでこの問題を取り扱うという点で
テーマに新規性があると考える。
企画セッション8:11/11 13:30-15:10「水環境学会・保険学会・災害情報学会・安全工学会後援合同:
エマージングリスク(新興・急増リスク)への対応〜分野を超えた共通知を探る〜」
オーガナイザー:上野雄史(静岡県立大学)
気候変動や社会的な変容と共に、
新たな、あるいは急増していることが懸念されているリスク(エマージングリスク)がある。
突発的、事故的な事象(非定常事象)と共に、不確実性の高いこれらのリスクへの対応も必要とされる。
評価方法や対策手法は様々な学術分野で蓄積があることから、
非定常リスクと同様に、4つの学会から、それぞれの問題意識とアプローチ方法を紹介してもらう。
水環境、保険、災害情報、安全工学の分野のアプローチの違いを共有するとともに、
エマージングリスクへの対応の共通点についても議論を行う。
企画セッション9:11/11 13:30-15:10「科学哲学の遠征―リスク研究の目的と方法を探る」
オーガナイザー:清水右郷(国立循環器病研究センター)
科学哲学が分析対象としてきたのは、科学の方法、概念、規範、制度などであり、
近年は分野毎の特性に注目した「個別分野の科学哲学」が盛んになっている。
残念ながら「リスク研究の科学哲学」は、全くないわけではないとしても、
せいぜい始まったばかりといったところだ。
これまでの科学哲学の成果をリスク研究に当てはめることができるかもしれないが、
そうした知見がどれほどリスク研究の実践を反映しているのか、
どれほど実践に貢献できるのかは心許ない。
さらには、リスク研究が人々の生活や社会的意思決定に密接に結びついていることを考えれば、
安易な哲学的言説が余計な混乱の元になってしまうことも十二分に懸念される。
しかし、リスク研究では哲学的な論点がしばしば問題になることも確かであり、
少なくとも長期的には、哲学者とリスク研究者の対話は有益になるはずだ。
そこで、このセッションではリスク研究と科学哲学の相互交流を図る。
話題提供として、科学哲学者からは「因果」と「専門家の責任」について、
リスク研究者からは「リスク評価の客観性」について報告した後、会場を交えて議論する。
科学哲学とリスク研究がどのように建設的な関係を築けるのかなどについて意見を交わす。
企画セッションに関する要綱
1. 企画セッションの申請者がセッションのオーガナイザーを務めてください。
申請者は最大2名までの連名で申請することが可能です。
申請者は、日本リスク研究学会の会員に限ります。
2. オーガナイザーはセッションの座長を務めるほか、発表者の選定、連絡を行ってください。
3. 企画セッションでは、原則、4件の発表を推奨しますが、必要に応じて、発表件数を変更していただいて構いません。
セッション全体の長さについては大会実行委員会が決めますが、
1件あたりの発表時間と質疑の時間の長さについては、オーガナイザーが決めることができます。
4. 通常のセッションでは、筆頭発表者は日本リスク研究学会の会員である必要がありますが、
企画セッションの発表者に関しては、日本リスク研究学会の会員でなくても可能です。
5. 企画セッションの発表者は、当該セッションのみ参加する方は参加費無料、
それ以外のセッションも参加する方は有料です。
6. 参加申込み、発表申込みやフルペーパー・要旨の提出は、各発表者が行います。
オーガナイザーは各発表者に「参加申込み」「発表申込み」「フルペーパー・要旨の提出」を促してください。
「参加申込み」「発表申込み」「フルペーパー・要旨の提出」は、
それぞれ、第31回日本リスク研究学会年次大会のHPから行います。
フルペーパーと要旨はどちらか一つを提出してください。
詳しくは、「発表申込み・発表方法・投稿」をご覧ください。
7. 昨年度は、企画セッション全体の趣旨に関するフルペーパー・要旨の提出がオーガナイザーに求められましたが、
本大会では、希望する方のみフルペーパー・要旨を提出することができます。
8. 大会終了後、セッションに関する内容について、日本リスク研究学会誌への投稿を依頼されることもあります。
希望する方は、依頼に応じて投稿することができます。
参考:申請書(Wordファイル)