この度、静岡の地で日本リスク学会年次大会を開催できることを、大変嬉しく思っております。2011年の東日本大震災後、静岡大学の浜松キャンパスで開催されて以来、13年ぶりの静岡での開催となり、静岡市での開催は今回が初めてです。今回の静岡大会のテーマは「複合、災害連鎖」といたしました。本県は、南海トラフ巨大地震の震源地となることが予想されており、この地震に伴う国の試算で、最悪のケースでは全国で約32万3千人が犠牲となり、国民の約46%が被災者になるとされています。
南海トラフ発生時には、大地震による直接被害だけではなく、その後の、山・崖崩れ被害、津波による浸水被害、出火・延焼による被害などの複合的な被害が想定され、災害が連鎖していくことも考えられます。多くの中山間地域を抱え、伊豆半島を含めて横に長い静岡県は、広範囲に災害連鎖していくことが懸念されます。2024年1月1日に発生した能登半島地震では、半島という地形における防災、復興対応の難しさが改めて指摘されています。本大会のシンポジウムでは、静岡県の危機管理部の担当者もお招きして、皆様と議論したいと考えております。一人でも多くの皆様のご参加をお待ちしております。
2024年7月1日
第37回日本リスク学会年次大会 実行委員長
上野 雄史