日. 10月 6th, 2024

    リスク用語 TG の第一期の活動記録について

    岸本充生(東京大学)、高橋潔(国立環境研究所)、岡田祥宏(筑波大学)、林岳彦(国立環境研究所)、平井祐介(横浜国立大学大学院)、瀬尾佳美(青山学院大学)

    1 設置の目的
    リスク研究学会の特徴の 1 つは、「リスク」という切り口を使って多様な分野を横断的に見ることである。とは言っても、学会員それぞれは自らの専門分野を持っており、他分野について必ずしも知っているわけではない。実際は、歴史的経緯により、分野ごとに、リスク関連用語の定義や使い方が異なっているのが現状である。これは日本国内だけでなく、国際的にそのような状況である。そのため、学会内での異分野間のコミュニケーションを円滑に行うためにも、分野間での基礎用語の定義の違いを事前に知っておくことは必要不可欠である。また、自然や人間社会の複雑性のため、地球温暖化分野のように、近年、自然災害分野や感染症分野といった複数の分野の専門家が交流する機会が増えている。こうしたケースのコミュニケーションを円滑にするためにも本タスクグループは 2014 年3 月に発足し、多様な分野のリスク基礎用語を一覧できる小冊子を作成することを目標に、検討を重ねてきた。

    2 活動記録

    • 平成 26 年度
      3 月 18 日に産業技術総合研究所西事業所で初会合を開催。
      7 月 31 日に東京大学本郷キャンパスで第 2 回会合を開催
    • 平成 27 年度
      4 月 23 日に国立環境研究所で第 3 回会合を開催。
      11 月の年次大会において、「リスク用語ハンドブック作成に向けて」のポスター発表を行った。
      構成は下記のとおりである。
      【構成】
      第 2 章 機械安全
      第 3 章 自然災害
      第 4 章 工業化学物質
      第 5 章 食品安全
      第 6 章 セキュリティ
      第 7 章 感染症
      第 8 章 金融(経済学)
      第 9 章 組織
      第 10 章 社会学

    3 今後の予定
    第 1 期の成果をとりまとめ、学会内でパブコメを求め、その結果も反映して、小冊子を作成、平成 28 年度の年次大会で発表する予定である。今後は、学会として、リスク小辞典の付録部分や、さらには今後議題に挙がるであろうリスク学事典の改訂の議論に貢献できればよいと考えている。

    公表資料
    岸本充生、岡田祥宏、高橋潔、林岳彦、平井祐介、瀬尾佳美、リスク用語ハンドブック作成に向けて.日本リスク研究学会第 28 回年次大会 講演論文集(Vol.28, Nov.20-22, 2015)

    参考資料
    岸本充生、岡田祥宏、高橋潔、林岳彦、平井祐介、瀬尾佳美、基礎リスク用語集の作成に向けて~分野の違う人たちの対話を促進するために~.日本リスク研究学会第 29 回年次大会 第 1 期タスクグループ成果報告会.