日. 6月 23rd, 2024

    リスクコミュニケーションTG の第一期の活動記録について

    平成 28 年 7 月 20 日
    竹田

    1 目的
    リスクコミュニケーションは、食品安全、化学物質管理、原子力など、各分野で 20 年近くの間、様々な検討や実践がなされ、多くの研究成果が蓄積されている。特に 3.11 東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故以降、リスクコミュニケーションの不備が改めて指摘され、その必要性が指摘されている。しかし、リスクコミュニケーションの意味するところが各分野で異なり、必ずしも過去の研究成果等が継承され、活用されている状況とは言い難い。そこで、リスク学会に所属するリスクコミュニケーションを研究する各分野の関係者が協働し、共通の基盤を築くことが本事業の目的である。なお、リスクコミュニケーションTG の参加者は 27 名である。

    2 活動記録とアウトプット

    • 平成 26 年度

    ① 日本リスク研究学会と科学技術振興機構(JST)とのリスクコミュニケーションに関する共同研究
    科学技術振興機構(JST)の「リスクを含む科学技術コミュニケーション基礎調査・研究」と協働して(MOU 締結)、政府機関が行う各分野のリスクコミュニケーション研究や事業を網羅的に洗い出す調査を行った。なお、この後、本研究成果を用いて、リスクコミュニケーションの分類指標の作成を行った。 アウトプット・・・報告書、分類指標

    ②「キックオフワークショップ」9 月 11 日:日本未来館
    JST、リスク学会、文科省モデルリスコミ形成事業関係者、他リスク学会 TG(リスク教育、レギュラトリサイエンス)の参加により、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーション、リスク教育、レギュラトリサイエンスの望ましい連携の在り方とは何かについて考えるワークショップを行った。なお、同じ試みを 11 月 28 日にリスク研究学会研究発表会でも行っている。

    ③ 「リスク研究学会企画セッション」11 月 29 日:京都大学
    「リスクコミュニケーションの現場から 〜身近な市民とのかかわり〜」として講演会を行った。発表者は以下のとおり。
    ・「各分野でのリスクコミュニケーション違い〜化学の事例から〜」
    ・「福島原発事故後の放射線に関するリスクコミュニケーション活動」
    ・「食品安全行政におけるリスクコミュニケーション・消費者庁における取組み」
    ・「福島県立医大におけるリスクコミュニケーションの取り組み」

    • 平成 27 年度

    ① JST 及び文科省との共同事業として、文科省のリスクコミュニケーションモデル形成事業の三事業(津波防災、再生医療、食と農業)を題材にリスコミの評価指標を検討するワークショップを 3/9 に JST 市ヶ谷で開催した。参加者 35 名。
    なお、当日の模造紙の記録を用い、平成 28 年 4 月 12 日に評価指標の文字化を行い、アウトプットとして、評価指標をまとめた。

    ② 「リスク学会企画セッション」11 月 30 日
    「リスクコミュニケーションの失敗」として、これまで実施されてきた「リスクコミュニケーション」の事例分類や概念整理をもとに、リスコミの成功失敗について、何を見て評価しているのか、ワークショップ形式で意見を出し合った。

    3 今後の予定
    平成 28 年度に行ったワークショップには、分野横断的にリスクコミュニケーション実践者が集まった。リスクコミュニケーションについては、研究者による概論や行政等の事例集は存在していたが、各分野におけるリスクコミュニケーションの事例を一堂に集めたような資料は存在しない。
    よって、本参加者による各分野のリスクコミュニケーションの事例を読み物としてまとめ、出版の企画を検討している。また、2年間の活動を通じて形成されたネットワークはリスクコミュニケーション研究の上で得難いものであるため、本出版計画の他、講演会等の企画等を継続する予定である。